明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 わからないといいかけた口を噤む。
 今までの話の流れだと優香と言いたいのだろうか。

 なぜ話を聞くのに優香を選んだのか。それには彼女が一番話をしてくれそうだったからだ。だが、それだけではない。

 あゆみ自分がしたといったが、彼女には不可能な事がある。
 だが、それは優香にも共通するのだ。

 それ以前におかしなこともある。なぜ、優香が私にぺらぺらと様々な情報を教えてくれたのか。

「その言い方だと分かっているんだよね。多分、当たっていると思うよ」

 あゆみは明言を避け、曖昧に微笑んだ。

「あゆみのしたことで絶対不可能なことがあるの。教室に閉じ込められた日、私はあゆみと一緒だった。だから鍵をかけることも、びらをはることも不可能なの。でも、優香が手伝ってくれればできるよね」

 あゆみがどうかと思える一件も、授業に出てこない優香がこなしてしまえば、全てが驚くほど自然に片付くのだ。

 あゆみは目を見張るが、寂しそうに微笑んだ。
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