明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

「やっぱりばれていたのか。何で疑ったの?」

「確証はなかったけど、不思議には感じていた。優香は親しくなかった私にいろいろ情報を教えすぎたもの。芽衣の一件までほとんど話をしなかったわたしにね」

 親身になってくれた私に、友人を失った彼女が話をしてくれたと考えることもできる。

 だが、その引っかかっていた部分が答えだったのだろう。

「いつから?」

「彼女には修学旅行の日に、古賀さんたちの部屋に忍び込んだ時に見つかったの。その時に開き直ってあなた達に芽衣の復讐をすると言ったら、彼女が言ったの。もっと良い方法で復讐をしようってね。もともと明香は他の人の弱みを探すところがあったの。だから、保田さんもいろいろ知っていて、教えてもらったの」

「じゃあ、先生に恋人がいることも?」

「もともとは明香の言っていた話だったんだって。それを明香が知っていたのも、先生は知っていたはずだよ」

 おかしいくらい正岡が明香を注意しなかったのも、短期間に様々な弱味が出てきたのもそういうことなんだろう。
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