明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
あゆみは目を強く閉じ、怯えた表情を浮かべる。この子はこんな表情をすると、より一層幼く見える。
「無理に言わなくてもいいと思うよ。ああいうことを言うのは気が強い人が言うって役目が決まっているの。それが私だっただけだもん。何かあった時は何かあった時だよ」
私はそう言って笑う。
さっきまでは怯えていたのに、勝手なものだと思う。
だが、何も言わなかったときよりは正直、胸のつかえもなくなっていた。
あゆみと話をしたことで、心からこれで良かったと思えてきた。
「でも竹下さんばかり標的にされたら大変かなって。そのうち適当に理由作って何か言ってくるかも」
「気にしなくていいよ。私はこういうの平気だし。適任者がいるのだから下手に首を突っ込まないことかな。標的になったら大変だよ」
そのときにはそのときなんだろう。
万が一のときには、校長先生に直接話をしてみよう。