明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
正直、もう一人くらい明香を注意してくれる人がいれば状況が変わる可能性もある。だが、あゆみには向いていないと思う。
はっきり言えて、感情的にならないようなタイプがいいが、期待するだけ難しいのだろう。
私も今の今まで見て見ぬふりをしてきたのだから。
私が教室内を覗き込むと、中にはもう人がほとんど残っていない。
ほとんどと言ったのは、一人だけ残っているためだ。
芽衣は床に手をつけ、身をかがめている。何かを探しているような気がした。
私はさっきのやり取りから話しかけていいのか迷ったが、ものはついでと再び教室に戻ると芽衣の近くまで行く。
「探し物?」
体を震わせ顔をあげた芽衣は、少しだけ顔を強張らせた。そして、周りを見渡す。
「落し物をしたの」
「何を? 私も手伝うよ」
私は芽衣の前の席に鞄を置く。
「携帯のストラップ」
さっきの明香に携帯を取られていた時にはずれたのかもしれない。
はっきり言えて、感情的にならないようなタイプがいいが、期待するだけ難しいのだろう。
私も今の今まで見て見ぬふりをしてきたのだから。
私が教室内を覗き込むと、中にはもう人がほとんど残っていない。
ほとんどと言ったのは、一人だけ残っているためだ。
芽衣は床に手をつけ、身をかがめている。何かを探しているような気がした。
私はさっきのやり取りから話しかけていいのか迷ったが、ものはついでと再び教室に戻ると芽衣の近くまで行く。
「探し物?」
体を震わせ顔をあげた芽衣は、少しだけ顔を強張らせた。そして、周りを見渡す。
「落し物をしたの」
「何を? 私も手伝うよ」
私は芽衣の前の席に鞄を置く。
「携帯のストラップ」
さっきの明香に携帯を取られていた時にはずれたのかもしれない。