明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「大丈夫かな。永田さん」

 あれから彼女と一緒に帰宅をし、楽しい時間を過ごしたが、気になるのは私がよりにもよって昨日庇ったことだ。

 私がいないのが幸いと、余計に酷い目に合されていたら、私のせいだ。


 そこまで考えたとき、頭がもうろうとしてきた。

 さっきの飲まされた解熱剤が利いてきたのか、高熱で想像以上に体に負担がかかっていたのか、強い眠りに吸い込まれていった。




 携帯の着信音が耳に届き、私は手を伸ばして、枕元に置いている携帯電話を掴んだ。

 メールの着信音だ。

 私はまだ半分まどろみに浸かった状態でメールの中身を確認する。

 私のメモリに登録していないアドレスだったのか、名前でなくメールアドレスが表示されていた。


 私はメールの中身を開いた。

「昨日は嬉しかった。今までありがとう」

 私は立ち上がり、もう一度そのメールの内容を確認した。

「今までありがとうって」

 差出人のアドレスを良くか確認すると、エム、イー、アイ、エヌエヌエヌとなっている。最初の字並びで私は芽衣を真っ先に思い浮かべる。

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