明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 がんがん自分の意見を主張する明香に、ほかの先生は強く言えないようだ。

 私はあゆみに先に戻っていてくれと伝える。

 不本意ではないが、このまま明香を放置しておきたくなかったのだ。

 先生たちを責める彼女の表情に、芽衣をいじめたときの顔が見えかくれしていたからかもしれない。

 いくら明香でも、先生たちにはそこまでできないとわかっていても。

「私も手伝いますよ」

 その言葉に彼らの視線が一斉に私に向く。

 明香は私をにらむ。

「あなたも私が嘘をついているというの?」

「そういうつもりはないけど、他の生徒の荷物を確認するなら、それなりの理由が必要なんじゃないかな。まずは徹底的に古賀さんたちの部屋を探してからじゃないと、難しいと思うよ」

 明香は私の言葉に押し黙る。

 私たちは明香の部屋を調べることになった。

 部屋にやってきたのは佐田先生と、もう一人飯原という先生だ。他に明香たちの班のメンバーと私だ。
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