明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
　優香はその場で泣き出してしまった。

　彼女が言っていることはとんでも話のような気がしたが、それだけ彼女の今の状況は追い詰められているのだろう。

それに、彼女たちは芽衣を分かってないと思う。


彼女がこういう事をするようには見えなかった。

　そうであれば思いつくのは明香たちを恨みに持つ人だ。私の脳裏に真っ先に思い浮かんだのは松下さんだ。その彼を明香は彼氏だと言い張っている。

「松下さんと明香がデートしたというのはどうなの？」

「明香のお父さんの取引先の人の息子らしい。立場的には明香のお父さんのほうが上で、実際断れなかったんじゃないかな。松下さんは知らないけど、あんなことを明香が言っていたと知ったら怒るだろうね」

　私はその話を聞き、得意げに彼氏との話を語っていた明香を思い出し、呆れてしまった。だが、気になることもある。

「あんなことって？」

　優香は口を噤む。そして、私から目を逸らした。
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