明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「どうかしたの?」

 私の身体に灰色の影がかかる。

 顔をあげるとあゆみがいつの間にか教室内に入っていたのだ。

 私は教室に内に他の人がいないのを念のため確認すると、あゆみに尋ねた、

「机の上に書かれていたサイトって一通り見た?」

 あゆみは少しだけ困ったような笑みを浮かべる。

「つい面白くて」

 クラスメイトの写真が掲載されたサイトを見たことを後悔しているのか、あゆみの言葉は歯切れが悪い。

 だが、彼女の好奇心は幸い私に良い方に働きそうだ。

「他のページに何かかかれていたりしなかった?」

「他のページ?」

 あゆみは眉間に皺を寄せる。

「そういえばプロフィールに奇妙なこと書かれていた」

 あゆみはそこで間を置いた。彼女は唇を軽く噛み、言葉を発することを躊躇しているように見える。

「お願い教えて」

 あゆみは頷いた。
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