明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
 でも削除をしても一度流れてしまった情報はなかなか歯止めがきかない。画面だけ保存しておくなど方法はいくらでもある。

「そっか。ありがとう。他には個人情報書かれていなかった? 学校名とか」

 あゆみは首を横に振る。

「大丈夫だと思う。載っていた写真は全部私服のものだったし、学校名とかは分からないと思う。ただ、修学旅行の事も書いてあったから、誰もがとは言い難いけどね」

「そうだよね。ありがとう」

 明香や里美も同じような状況になっていると考えたほうがいいのだろうか。

私のカバンの中には優香のメールが入っている。優香が自分で持っていたら絶対に見てしまうので、預かっておいてくれと言い出したのだ。

 その場は考えが及ばず持ち帰ってしまったが、優香も携帯がないと困るだろう。まずは携帯を解約させる必要がある。

そのためには優香の両親か、せめて母親におおまかにでも事情を説明させるのが良い気がした。

 その時、クラスメイトが数人入ってくる。彼女たちは私とあゆみに挨拶をすると自分の席に腰を下ろす。
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