明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
　私が理科室に行くと、もう明香たちは理科室にいて、何か話をしていた。教室内にいるのは、明香たちを加えて五人だ。

　だが、時間とともに理科室に人が増えていく。私はその中であゆみの姿を探すが、なかなか見つけられない。

　私が目の前のテキストに視線を落とし、ぱらぱらとページをめくる。その時、チャイムの音が鳴り響く。

　直後、理科室の扉が開き、教室が一瞬静まり返った。そして、あゆみと一緒に、ほかのクラスメイト数人が入ってきた。


　先生ではなかったためか、クラスメイトが再び騒ぎ始める。

　あゆみは胸に手を当て、呼吸を整えながら、私の目の前の席に座った。

「ぎりぎり間に合ったね」

　あゆみは苦笑いを浮かべている。

　彼女は持っていた筆箱とテキストをテーブルの上に置いた。

「間に合って良かった」

　その時、物理の先生が入ってきたため、教室はしんと静まり返る。

　私とあゆみは顔を合わせると、思わず肩をすくめて笑っていた。

　授業が終わり、私たちは教室に戻ることにした。

　芽衣のことについて、私はあゆみに聞いてみることにした。
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