明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。
「なにこれ」
村田さんが嫌悪感を露わにする。
「まずは鍵を見てくるよ」
岡部君はそう言い残すと、紙を折り畳みポケットの中に入れると、そのまま立ち去る。
しばらくして岡部君が隣のクラスの先生を連れて戻ってくる。
正岡先生は学校が終わって早々に帰宅したそうだ。
私たちのクラスの鍵はまだ戻されていないらしく、先生たちも困ったのか合鍵を使って鍵をあけてくれるようになったそうだ。
その後、手分けしてクラスの鍵を探したが、結局鍵は見つからないままだった。
絵里子の携帯に電話をしている人もいるが、つながらないようだ。
だが、彼女の家にまで電話をしようとする人はおらず、私達は帰宅の途に就いた。