明日を迎えられない少女は何を望んでいたのだろうか。

　確かに良く言われる事ではある。

そして、多くの生徒が心の中で自分のしてしまったことをその程度の差はあれ、責めていると思し、全く悪くないとは言わない。

だからといっていじめの加害者といっても過言でない絵里子に言われるのでは事情が違う気がした。

　そして、あのブログのコメントと重なり合う。

「昨日の鍵の事件もあって、何人かが加古川さんに詰め寄っていたの。でも加古川さんは送っていないって言い張っている」

　私は横目で絵里子を見た。彼女は目を潤ませ、今にも泣き出しそうだった。

「そんな話、知らない。だから朝来たら突然『お前らがいじめていたのだろう』なんてメール入っているし、意味が分からない」

「でも、誰がどう見てもいじめていたよな。ブスだの性格悪いだの。正直、お前たちのそんな様子は痛々しいよ。鏡見たほうがいいんじゃね？」

　岡部の挑発的な言葉にクラスメイトが笑う。

「酷い。それこそいじめじゃない」

「でも、お前らがよく永田に言っていたよな。可愛くないってさ。何が違うんだ？　ああ、言うのはいいけど、言われるのは嫌なのか」