【短編】2月14日
「冗談だよ、スノーとか」
「フツー」
「ビアンカ」
「オスっぽくない」
「フロスティ」
「メスっぽくない」
「クリスタル」
「呼びづらい」
「アイス」
「クリーム?」
「殴るぞ」
「嫌だ」
「コットンマシュマロシュガーバニラミルクバンナパール」
「却下却下却下却下却下却下却下」
「…ノエル」
「それ何語?」
やっと食いついたか、と少し安心した。
考えてたのはこれで最後だった。
「フランス語で、クリスマス」
「それいいなぁ、じゃあそれにしよ」
笑顔で僕を見て、僕の肩に手を置いた。
「その名前もらうわ、ありがと」
「ああ、どういたしまして」