【短編】2月14日
「それと、これ」
君がカバンからチョコレート取り出す。
その時、見えてしまった。
もうひとつ、綺麗にラッピングされた箱。
それもチョコレートなんだろうか。
「義理チョコな!」
言いながらチョコレートが入った包みを僕に渡す。
「そんなはっきり言わなくても」
それよりも、さっきの箱が気になって、聞き出したくてたまらない。
「あとな、今日、一緒に帰れない」
その言葉で全てを悟った。
「うん、わかった、じゃあ明日な」
「うん、明日!」
君に手を振って歩き出す僕。
笑顔で振り返す君。
僕の初恋が静かに終わった。