くすんだ街
スグルは工場長から目を逸らそうとテーブルに用意されたお茶に視線を落とした。

妙に思われないようにコップを口に運ぶ。

その瞬間、頭の中を乱暴に洗われているような感覚に襲われる。

視界が黒く染まり、目の前がぼやけた。


「困るんだよ、秩序を乱されると」


工場長の声をはるか遠くに聞きながら、スグルは意識を失った。
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