くすんだ街
スグルの心配とは裏腹に、彼女は昨日と同じ場所に座っていた。

スグルは、彼女の姿を視界に捉えて立ち止まる。

不意に息苦しさを感じた。
規則的なリズムを刻むはずの心臓が、一瞬だけ不規則に跳ねた。

立ち尽くすスグルの気配に気づいたのか、彼女がふと振り返る。

そして、スグルを見て安心したように微笑んだ。
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