くすんだ街
翌日、スグルは工場長に頼まれてか迎えに来た同じ寮の少年に自分が受け持つ機械の前に案内された。

非常に単調な作業の繰り返しだった。
作業を続けるうちに自分自身が機械になっていくように感じた。

チラリと視線を動かすと、同じように機械と同化する同年代の少年たち。

自分もいずれはこれを辛いと感じなくなるんだろうか、フリじゃなく本当の機械に。

――それは、そう遠くない未来のように思えた。

気づかれないように嘆息し作業の手を止めたスグルは、機械を挟んだ向こう側の作業場にいる少女たちを見やる。

その時、不意に奇妙な違和感を覚えた。
違和感を覚えたのは一番奥で作業をしている一人の少女――いや、もう成熟した女性といっていいだろう――だった。
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