美味しいほっぺにくちづけて。
「おまえ、またミスしたの?」



「またって・・・」




フキンを持った和樹は、私を見るとあからさまにイヤな顔をする。
“また”ってそんなにミスしてないもん。私はこうゆう性格だから、失敗しないように毎日気をつけてる。




「おまえ、バカなんだから咲良さんと千晴さんに心配かけんなよ。」



「・・・分かってるよ」



失敗は、私のミスで落ち込んでも仕方ないけど、“バカ”とか言われると結構ヘコむなぁ・・・
心の中で、和樹だって失敗はするじゃん・・・と私は嘆いてしまう。


和樹も少しは、優しく言ってくれてもいいじゃんと思いつつ、和樹の言っていることも、聞き入れなきゃと思う。


千晴さんも妊婦さんなんだし、心配はかけたくないよね。





しっかりしなきゃ・・・




「小海、そういえば、美玲の具合はどうなんだ?」



咲良さんがドアからひょいと顔を出して私に問いかける。


美玲・・・・美玲は私の一つ年上の同期だ。今日は風邪で休んでいる。朝、連絡を入れてみたところ、明日には復帰出来そうだ。



そのことを咲良さんに報告すると「そっか」と一言言うと、急いでるのか足早に場所を過ぎ去った。





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