美味しいほっぺにくちづけて。
空さんは、ブスっとしている私のほっぺたを突く。


「まぁ・・・馬鹿囃子や、間抜けとか、あまり良い意味の言葉じゃねぇんだよな、ソレ。」



「空さんは、私の事・・そんな悪い意味で例えていたんですか?」



ひどい・・・・



「まぁ、間抜けとか、馬鹿だとも思うけど・・・」



うっ、ひどい・・・・


空さんはそれでも話しを続ける。


「けど、おまえは、くよくよするけど、明るいじゃん。俺、くよくよするけど、前に進もうとしてるのはスゲーって思ってるよ、いつも。なんか、おまえはその言葉ごとひっくり返してると思うんだよなぁ。」



「私が、ですか?」



私が聞くと、空さんは目線を私に合わせて、微笑む。




「なんて云うか、『かわいいお茶目さん』って感じ?いつでも、俺は頑張り屋でおっちょこちょいのおまえの味方。つまり特別ってコトだよ。」



こんな私を、かわいいだとか。
かわいいだとか、かわいいだとか・・・・



「特別?私・・・・?」



「そだよ!」



空さんは、いつもの様に、私の頭を撫でてくれた。
ニィーと子どもの様に笑う。


いつも子ども扱いをしているのかな、て思っていたけど、その優しすぎる温もりに、ホッとしている自分がいる。



空さんは、私のこと『特別』だと言ってくれた。



「私も!!空さんのこと、特別だから!!」



空さんは、一瞬ビクっと体を弾ませる。



「・・・・びっくり。でも、あんがとな。」



私が意を消して空さんに言うと、空さんはものすごく嬉しそうにしていた。



「俺・・・・小海とふたりっきりになれて嬉しいな。」



「てへへ、私もものすごく嬉しいです!!」



今だけは、二人っきりにしてくれた美玲に感謝しなくちゃだ。


てへへって何だよ、と空さんに小さくちょんと、小突かれる。


全然、痛くない。


空さんの優しさ。



空さんといると、明るい気分になれる。私が明るくいれるのは、空さんがいるからですよ。



私は、恐らくにへーと変な顔をしているだろう。

ダイスキです、空さん。



それから、美玲たちと合流してみんなで帰った。

もう少し、空さんと二人でいたいってちょっと思った。


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