美味しいほっぺにくちづけて。
それから、次々と初めて聞くようなバンドが、想い想いにステージ上に姿を見せて行く。


女性だけのボーカルチームのバンドや、一人で歌ってる人、これはデビュー間違いなしって思えるバンドが、一瞬一瞬、私の鼓動を強くさせてゆく。



音楽って、魔法みたい・・・


次は、どんなバンドが歌うのかな、と胸をときめかせている。



〜~♪〜~♪♪〜




♪〜~♪♪♪〜~♪〜~




また暗くなり、ステージ上にスポットライトがボーカルを照らし始めた。



もう、辺りはすごい熱気。観客の声援が、声が声で消されてゆくのが分かる。
汗と熱狂的なファンに私の心も浮き立つのが分かった。



ステージ上のボーカルは、スタンドマイクに手を添え、静かに歌い出すと、辺りが一瞬にして静まりかえる。


聴いたことがあるその声に、私は心が激しく、揺さぶられるような感覚を味わう。


身体の芯から、芯までが鳥肌を感じて、心臓がバクバクと脈を打ちはじめた。

ときめき出したその鼓動に、そっと手を当てると、ステージ上の歌っている、その人から目が離せない。


見逃したら、いけない。

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