美味しいほっぺにくちづけて。
「天然だな、嵐は。ほんとに、変わんねぇんだから。」



「そっちゃん!」



「まぁ、うちのモンチッチもかなりの、天然なんだけどさぁ。」





優しい声がして、また私の胸がときめきだして仕方がなくなってしまう。
私の頭に腕を置きながら、嵐さんに笑いながら話がかける、空さん。

そっちゃんは、空さんだったんだ。




「お便所、おっせぇ~ぞ。」



「昴がちんたらしてるからぁ。」




ほんとに、空さん?
空さんの顔が見れない・・・・




「小海?」



私の名前を呼んで私の顔を覗く、空さん。空さんは、私の頭を優しく撫でてくれた。



「前髪・・・ってか髪切ったんだ?」




にこやかに私に話しかけてくれる空さんは、何も変わってなかった。


ステージの上にいた空さんが、私のすぐ側にいる。
あわわあわわと声にならない。

・・・でも、私の心は変わらなかった。




「モンチッチうみちゃんと、そっちゃんって仲いいんだぁ〜?」



嵐さんのさらりと風のような一言に、顔中の体温が上がってくる。

絶対、今真っ赤。
もはや、小猿だよ、わたしゃ!



千晴さんも、咲良さんも空さんが来たことで、また会話の花が咲き出した。
美玲と和樹には、もう少し短くしちゃえば?なんて言われる。




私が空さんの名前を呼ぶと、空さんはなぁに?とこちらを向いてくれる。
笑いながら可笑しいように、私を見る空さん。


ただそれだけなのに、溢れる気持ちが恋情する。
< 132 / 231 >

この作品をシェア

pagetop