美味しいほっぺにくちづけて。
「レイジは、ボイススクールで一緒だったんだよ。最初から、波長が合ったし、あいつもメンバーになるってゆう未来もあったんだ。けど、あいつは、俺たちとライバルになりたいって言った。あいつは、あいつなりの世界で立ち向かうってさ。」



そう教えてくれた空さんは、自由奔放なところがレイジらしいと笑っている。


どこか遠い目をしてる様な気がするのは、気のせい？


もしかしたら、本当は、一緒に歌いたいって思ったのかな？


私には、その時の空さんの想いは分からない。それが、すごく切なくなった。


透き通るように、空さんを見ていた私に、空さんはまた頭を撫でてくれた。



空さんの手は暖かい。



「あいつら【elicit Garden】だって、デビューするのに、丸五年も掛かってる。俺たちだって、生半可な気持ちではいられない・・・そうだよな、空？」




空さんのことばかり考えてる私は、自然と入ってきたその声に視線を傾けた。




「あぁ、当たり前。」



空さんの一言につられて、私もその人に目をやる。


少年の様なその瞳に、私は吸い込まれそうになった。
とっても綺麗なスカイブルーの瞳だ。




「昴ちゃん、遅い！」


嵐さんはその人に気づいたようで、スカイブルー色をした人・・・昴さんにちょっと怒っていた。
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