美味しいほっぺにくちづけて。
空さんが私の顔を覗いた。


びくっと一瞬してしまうも、何でもないと空さんに笑って見せる。


なにを、しょんぼりしているんだろう・・・今日、ステージ上で、ＲＥＹの歌を聴いて、本当に涙が溜まるほど感動した。

しょんぼりしていちゃ、空さんの応援は出来ないじゃんか。
今日のステージ上は、デビューするであろう、アーティストがみな、自分の姿を見てほしくて、歌っている。


きっと、空さんたちだって同じ。

デビューしたいから、歌う。


私は、空さんの歌声に励まされた第一人者だから。空さんを応援する。




「デビューすることは決まってんのか？」



「あぁ・・・実はな。来年の春に再始動するんだ。俺達は、最初、シークレットで顔を出さすに挑戦してきた。けど、これからは、新たな【ＲＥＹ】を日本中の人に見せたいし、聞かせたいよな。」



咲良さんは、銀河さんにそう聞いていて、私も耳をダンボにした。



銀河さんが、染み染みした顔をして、同類の声で話している。


デビュー・・・決まっていたんだね。



「すごいじゃない！！！」


千晴さんが、興奮した声ではしゃいでいる。千晴さんは、私にも笑顔を向けていて、私も無邪気に笑う。


空さんの声が日本中、いや世界中の人々を夢中にさせてしまう日が、きっと来る。

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