美味しいほっぺにくちづけて。
空さんは、何も言ってくれなかった。


そんなの、当たり前。空さんは大人の男の人。私なんかに、言うはずがなかった。


私は、空さんの彼女でもない。


彼女になりたい。

彼女になって、一番に応援したい。



 
「うみちゃん、みんなの曲聴いて、感動し過ぎて泣いてたのよ~」



「本当に、泣き虫だよな、小海。仕事中は、泣くなよ。」



千晴さんが、私の肩を抱いて、REYのみんなに微笑みかける。咲良さんも、笑って、泣くなよ、と頭をひとつそっと撫でた。




「そうなの?」



空さんは、にこやかに私を見て優しく微笑んでいる。嵐さんや、昴さん、銀河さんも私を見た。



「はい!私が、ファン第一号ですからっ!」



私は、何度か頷き、精一杯に笑う。

空さんを見て、胸が苦しいほど愛くるしいのは、ひみつだ。


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