美味しいほっぺにくちづけて。
「ありがとう。」



空さんと私は向き合うと、空さんは優しそうな瞳で、私を見ながら私の目線まで腰を曲げた。



私の頭を優しく撫でると、空さんは少し薄ら笑う。




「俺、これからどうなるのかスゲー恐い・・けどな、楽しみなんだ。」


空さんの瞳に吸い込まれそうで、もう吸い込まれても構わないってほど、空さんに目が離せなくなる。
 

恐いけど楽しみ・・・空さんのその声を聞いて、やっぱり空さんは、只者じゃない気がしてくる。


私にはない感覚で、空さんが前向きな言葉を言ってくれたから、私も明るい気持ちに不思議となってくる。




「空さんなら、できるよ。日本中の人たちを夢中にしちゃうよ。」



「・・・・小海。」




「・・・・・・・え、きゃあ!」



空さんは、なぁに変な声出してんだよ、っと可笑しいそうに抱きしめながら笑うと、私と空さんの隙間なんて一欠片も埋め尽くされた。


私ってば、空さんに抱きしめられてる?




「年初めから、東京行くことになったんだ。」



「東京、ですか?」


空さんはウン、と相槌を打って私の肩に自らのふさふさした頭を埋めて来る。



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