美味しいほっぺにくちづけて。
厨房から、お客サマのいるフロアに行くと、見覚えのある親子が目に入ってきた。


いつ見ても、可愛らしいこの親子。


まさに、天使だよ!




「こんにちはァ!」




二人に挨拶をすると、賑やかな元気な声をした男の子が私に抱きついてきた。




「あ、うみちゃん!!」



可愛い!!!



「こんにちは、光くん!」


この無邪気な笑顔を見ると、たちまちに私も笑顔になるから不思議だ。



「うみちゃん、遊んでよ〜!」



「うん、遊びたいんだけど、お仕事なんだ!だから・・・バレないように遊ぼっか!」



「え、いいの?」



嬉しそうに笑う、光くん。私も、会えて嬉しいな。





「こら、聞こえてんぞ。」


コツンと、私のおでこを空さんが優しく小突く。全然、痛くなくて、空さんはククっと笑っていた。



「あは、バレましたか・・・」



「いつも光の相手してくれてありがとな。」



「いいえ、頑張ってる光くんをいつも見てますから・・・ここに来たときぐらい気を休めてほしいんです。」






私がそんなことを言うと、空さんの掌がふわっとやわらかく私の頭に触れた。




「!」



空さんは私を見て、優しく微笑む。



ほんのちょっとポン、と触れただけだったけど、なんだろう・・・・・ものすごく嬉しい。



ドキドキしちゃうんですけど・・・・





光くんは、人気子役で活躍しているチャイルド。


結構人気で、確か今・・小学一年生だっけ?
それなのに、かしこくて、一端の芸能人だ。



最近ではTVのCMに度々写っている。

まだまだ小さいのにすごいよなぁ。



「こらこら、うみちゃんに迷惑かけないの!ちゃんと、挨拶した?あ、ごめんね、うみちゃん。いつも光はうるさくて・・・」



光くんのママが私に気づいて、光くんの腕を引っ張った。


「ほのりさん、こんにちは!迷惑なんて言わないでください!光くんに会えて嬉しいんです!あ、ほのりさんが載ってる雑誌買いましたよぉ!!すごく、綺麗でした。あ、実物はめっちゃめっちゃすごく、もっと綺麗ですがね!!」



光くんのママのほのりさん。


ほのりさんは、モデルさん。
色々な雑誌に載っている。



「あはは、うみちゃん。私を褒めすぎだよ!」


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