美味しいほっぺにくちづけて。
「わがまま親子なんだから・・・」



「なんか言った?」



「なんでもォ・・・・・」



いくら空さんでも、ほのりさんには逆らえないらしい。

こんな空さん貴重!!



「ふふ、あんがと空さん!!」



「なんだよ、「空さん」呼びすんな。」



なんだか、照れてる空さんもすごく貴重!!




「ママ、これ食べたい!」



「んー?どれ?」




光くんは、ガラスに入った和菓子を指指して、ほのりさんに買ってと催促しているように、ほのりさんの服を掴んで、咲良さんのところへ行ってしまった。



「こらぁ、笑うなよ。」


「あは、バレました?」


にやっと笑いをこらえきれない私は、思わず吹き出して笑ってしまった。


弟の空さんが見れてなんか珍しくて。


笑ってしまう私とは対称的に空さんは、髪を耳に掛けながら、顔を私に向けた。


バッチリショット頂きました。
心にそっとしまいます。




「今日、空いてる?・・・会いたい。」



誰にも聞こえない声で、耳打ちされる。




ドキン!と、胸が鳴る。



「そ、そんなドアップかまさないで下さい!!」



かっこ良すぎて、見てられなくなりますから!

イヤ、本当は見たいですけど。


私が手を翳すと、空さんの笑い声が聞こえてくる。


「ぷ、アハハ!やっぱり小海は可愛いなぁ。さすが、俺のうみちゃん。」



「なな、何を言ってんですか?しかも、初めて「うみちゃん」って呼んでくれましたよね、今。」


「そう?」



「はい。」


きゅ〜〜んて、心臓がやばいぐらいに高鳴っている。



空さんがうみちゃんって呼んでくれるのは嬉しいけど、小海って呼んでくれるのは、特に嬉しいな。




「でも、今日・・・光くんとほのりさんがタンポポ見に来るのでは?」



「おまえの仕事が終わるまでには、帰す。」



「えぇ!いやいや、それはダメですよ!!」



ちらっと二人を見る。



「俺が二人になりたいんだよ。あいつらいたら、ラブラブ出来ねぇじゃん?」



「ら、ラブ・・・・!」


驚いて、空さんを見る。



「それとさ・・・・ほのりがおまえのことカワイイって言ってた。どうしたの、可愛いくなっちゃって・・・俺の他に、思われたいやからがいんのかよ。」



「え?」


空さんは、私の目を見て、なんとも言えない表情をしていた。



「はは、それじゃ、そうゆうことでな、終わったら公園で待ち合わせな。そんじゃ!」



「空さん!?」


空さんは、にこりと笑いいろはを後にした。



空さん?


空さんがなんか変・・・・・



やっと今日、空さんと会える。



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