美味しいほっぺにくちづけて。
なんだか待ち合わせって、妙に緊張する。相手が相手なだけにより一層。



私は心を落ち着かせ、待ち合わせの公園に向かった。


「寒い〜!」


いろは堂から少しばかり歩いたそのほんの小さな公園。
冬になると、少しばかりだけどイルミネーションがほどこされていて、気分も変わる。



「あ、空さん!!」


思わず寒そうに立たづんでいる空さんを見れば申し訳ない気持ちになり、小走りをして空さんの元へと向かった。



あ、昼間とは違った洋服を着てる。今着てるのは、赤いフードの着いたアウター。


空さんのパーカー姿にきゅんとしちゃうのはなぜだろう。




「小海。」



空さんは、私に気がついて片手を上げる。


「すいません!遅れちゃって・・寒かったですよね・・・・っきゃあ!!」



痛ったぁ!



ゔぅ・・・何でこんな時に転んじゃうんだろう。
恥ずかしいし、早く起き上がらなきゃ。



「あはは、大丈夫かよ。ほら・・・」


空さんを見ると、笑いながら手を差し伸べてくれた。


「へへ、転んじゃいました。はぁ・・・」


左手で空さんの右手を摂ると、私は膝に付いたジャリを払い落とした。


「ドジすけ〜」


よかった、空さんが笑い飛ばしてくれて。


「恥ずかしい・・・」


「おまえがドジなのは知ってるし大丈夫だよ。もっと、これからは失敗した姿恥ずかしがらずに見せてもいいんだからな。」


空さんは、にこっと笑いながら私の手をぎゅっと握ってくれた。

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