美味しいほっぺにくちづけて。
「そういえば、昨日空さんの夢見たんですよ〜」


「え、俺?」



「はい。空さんの笑顔見れました!」



ぶくくっと、笑いながら口元を隠すと、やっぱり笑みが溢れちゃう。


なぜ、空さんが夢に出てきたのかは分からないけど、笑顔だった。

甘い無邪気な笑顔をして、私を見てた。



「小海もいつも笑顔じゃん。」


「はい、私・・ずっと笑顔でいられます。空さんが笑顔にしてくれたから、私に笑顔をくれたから、私は私でいられるんです。ダイスキなんですよ、空さんの笑顔。あ!空さんの歌う声も超絶ダイスキです。」



ダイスキです。



なんかちょっと照れちゃうな。空さんの顔見れないや。

恥ずかしくなって、ちょこんと地面を向く。



「あ、でも!こんな人が通るところで私何、言っちゃってんですかね。もしかしたら、すでにファンの人が見てるかもしれませんしね・・」


そうだよ、誰に見られてるのか分からないんだ。

気をつけて行動しなきゃいけないのに、気遣いゼロじゃん、私・・・


手を離そうとすると、空さんがぎゅっと握り締めた。




「・・・・小海。俺、胸きゅんなラブバラード思いついた。凄くね?」



「え、今ですか〜?」



空さんは、目をキラキラさせて私を見る。



「うん。すごくない?俺が今ものすごく胸が高鳴ってるからかな・・・小海、おまえの言葉ってすごいよ。」



「ふふ、空さん。いきなり何を言うのかと思ったら、びっくりするじゃないですか。空さん、おもしろくてかっこ良くて最強ですよね。」



かっこ良くて、おもしろくて、笑わせてくれてやっぱり最高だよ。


「そうさせてるのは、おまえだよ。俺も、小海がダイスキだ。おまえの笑顔がダイスキだよ、俺。」




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