美味しいほっぺにくちづけて。
そう思うと何故か、よく分からない感情が訪れてくる。



空さんの応援しようって決めたじゃん。なんで、こんな気持ちになってんのよ、私。




「うみちゃん、そんな顔してて空の彼女がつとまるの?」




「え?」




地面を向いて何もしゃべらない私に気付いたほのりさんは、ちょっと強い口調で私に語りかける。


私はほのりさんに顔を向けた。



「そんな泣きそうな顔をして、これから空を支えて行けるの?これから、空は、多くの人に顔を知られて、たくさんの人を夢中にするかも知れない。熱狂的なファンだっているかもしれない。」




「おい、」




「家の前まで追いかけてくるファンや、空を好きなファンが現れるかもしれない。空だって、これから女優さんと一緒に写真だって撮られてしまうかもしれない・・・うみちゃん、そんな時も泣きそうな顔をするの?空をあきらめるの?」




「っ、」




・・・そんな!!!




空さんがほのりさんを止めるも、ほのりさんは私と真剣に向き合ってくれていた。






「わ、私・・・・!!!絶対、どんなことがあっても空さんをあきらめません!!!」




だって、私は・・・




「なんで?」




「だって、私は空さんが好きだから!!!」




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