美味しいほっぺにくちづけて。
ホテルの部屋は、銀河と一緒だった。



後は、寝るだけ。






銀河とは特に話さなくてもいられるし、長い付き合いだけど、こうやって待ちに待ったライブの前日を共に迎えるのは久しぶりだ。






「どうした空、寝れないのか?」





「んー・・・・電話したいなぁって思って。」




ベランダでたばこを吸いおわり、肘を付きながら夜の景色を見ているとき、銀河が隣へやって来た。




「電話?・・・・・あ、うみちゃん?」




「んー・・・」




「すればいいじゃん。まだ起きてんだろ、まだ11時だし。俺は、さっきしたよ。」





「え?」




銀河がさらっと言うもんだから、びっくり。



さっき言ってた彼女にか?




「おまえ、彼女いたんだな。」



「おまえも知ってる奴だよ。ほら、おまえと同じ商店街のヘアーサロンに務めてる・・・」



ん?


同じ商店街のヘアーサロンって行きつけじゃん!



そこにいる女の子って・・・




「凛ちゃん?」



凛ちゃんは、良く知ってるも何も、商店街のヘアーサロンの笑顔が可愛い女の子の凛ちゃんだ。



小海とも仲良くしてくれてるし、お互いを励まし合える存在だと思うけど。



「え、その凛ちゃんと銀河って付き合ってるの?」



「あぁ、古くからの幼馴染みだから。」


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