美味しいほっぺにくちづけて。
小海を見ていた自分。振り向けばいつもがんばっている姿が、俺に勇気をくれた。


恥ずかしいけど、本当のこと。




「じゃあ、暖かくして寝ろよ。」




『うん。空さんも暖かくして寝てくださいね。一人の身体じゃないんですから。』




「おう。」




俺達は、お互いにおやすみを言い合い、電話を切った。



・・・・・一人の身体じゃないか。



小海にそう言われて、身に沁みる想いがした。




明日は、どんなライブになるのかな?


たくさんの人が楽しみにしているライブだ。ただ、大切な人が聴けないと分かったところで、どうしようもないじゃないか。



ちょっとばかり、切なくて歯がゆいけど、明日がんばって歌いたい。



自分のために。

メンバーのために。


お客さんのために。


そして何よりも、大好きなアイツのために。


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