美味しいほっぺにくちづけて。

✩episode.１

好きな人

梅雨のジメジメした陽気がもうすぐ終わり、季節は太陽が照りつける初夏になる頃。



空には、モクモクとたちまち動き出しそうな大きな雲が一面に広がっている。



今年はどうやら、涼しい夏になるとテレビの天気予報士は言っていた。




暑くないなら、そのほうが良いよね。

今年は、どんな夏になるんだろう・・・なんて、頭の片隅で不意に思っていたりする。



「風が、気持ちぃ〜！」





私の髪を緩やかな風が揺らしながら、スカイブルー色の自転車に跨がりながら、そんな事を私は考えていた。





日々、デスクワークからかけ離れた私たちのお仕事。
立ちっぱなしの足にも、十分に慣れた今日この頃だ。