美味しいほっぺにくちづけて。
「・・・・・なんで落ち込んでんだよ。」




空さんは、“聞いて良いのかな”とゆう顔をしながら私を見た。なら、聞かなきゃ良いのに・・・聞いてくれるところが空さんらしいや。





「まぁ、色々とありまして。」



「ふ〜ん、色々か・・・」




仕事でも、やらかした上に、失恋ときた・・・その心は・・・へこたれてしまいそう。
空さんは、”言いたくなかったら、別に言わなくてもいいけどね“と言ってくれた。



「今は、言いたくありません。」




ちょっとした強がりで、私は空さんに言うと、空さんは“そっか”と一言言っただけで、何も言わなかった。


深くは聞かれなくてホッとしているのか、聞いて欲しいのか、自分でも良く分からない心境だった。




「大丈夫か?」



空さんが言ったの?と一瞬、私の思考が止まり、面食らう。

その瞬間、なんだか知らないけど、目の奥がツンとした。


鼻孔の奥深くも、ツンとした。


めいいっぱいに、じんわりとしたツンとしたものが広がった。

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