美味しいほっぺにくちづけて。
お気に入りはたくさん、あるのだけど、その中でもお気に入りのことが私にはある。




「どんなストーリー?」




「まだ、決めてないんだけどね・・・」




私は、携帯で・・・



恋愛小説を書いている。
誰にも言っていない、私と凛ちゃんとの秘密のことなのだ。




絶対絶対、言えないよ。
だってまだまだなんだもん・・趣味として書いてるだけだし。





「私、うみちゃんのほんわかした雰囲気、好きだけどね。」



「ありがと、凛ちゃん。」



凛ちゃんも、私の事を『うみちゃん』とアダ名で呼ぶ。

凛ちゃんとは、会う前からずっと友達だったと思うよ。




そして、恋愛小説は私の一部なのかもしれない。


・・・普段、言えないセリフや、表現や、シチュエーションを自分なりに考えられるし、好みの名前だって決められる。



なによりも、私に癒やしをくれる、今の私にとって大事なツールなのだ。



まだまだ、駆け出しだから読者さんは、凛ちゃんが第一号。


小説を書いてるなかんて、美玲や和樹に言ったりしたら、あんたにそんな余裕あるの?ってどつかれてしまいそうでコワイ・・・

それでも私のよりどころ。

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