美味しいほっぺにくちづけて。
色々、お遣いを済まし、もとの場所に戻って来た。裏庭からのドアを開けて、足を踏み入れるといつもの場所。
「見てくださ〜い!サービスしてもらっちゃいました。」
「おぉ、スゲ〜じゃん。」
帰って来るやいなや、私は大きな声で“ただいま帰りました”と言うと、「いろは堂」の色息子の咲良(さくら)さんは、グゥと親指を上げてにこっと笑ってくれた。
四代目の老舗の名店『いろは堂』は、今は咲良さんが中心となり、お店を切り盛りしている。
私は、ここのスタッフだ。
四代目なんて、凄いなぁと尊敬する。
そんな傍ら、実は私も実家の和菓子屋の四代目だ。一人娘の私は、高校卒業後、見習いとして勉強するべくこの町にやって来た。
製菓の専門学校を去年卒業し、今はこの場所や空気にも慣れて来たと思っている。
ドアからは、厨房や作業場になっていて、その先が甘味を美味しく食べられるように、広いスペースになっている。
お客サマが入る扉には、大きく『いろは堂』と描かれている紅色をしたのれんが、掲げられていて、潜ってお客さまはやって来る。
和風仕立ての可愛らしい腰から下げられるエプロンと白いブラウスを来た、咲良さんのお嫁さんでもある千晴さんがおぼんを持ってやって来た。
「今日は、小海ちゃんいないのかって聞かれちゃったよ~!」
「あは、そうなんですか?」
私は、少し照れ笑いをすると、千晴さんが“あそこにいる常連さんだよ”と言った。
その人を厨房から見てみると・・・
「・・・伊吹(いぶき)さんと空(そら)さん!」
ある意味常連さまだ。
この二人は、咲良さんの同級生で、伊吹さんも空さんも仕事終りに良くここに甘味を食べに来る。
伊吹さんも空さんも、実は同じ商店街の仲間。
伊吹さんは、お花屋さん。お店へお花を買いに行くと、いつも可愛らしいお花と私を迎えてくれる。
そして、空さんは、両親と共に、茶道の教室などをしている。抹茶や、きな粉、白玉粉など、色々お店で使うものを届けに来てくれるのも、空さん。
「見てくださ〜い!サービスしてもらっちゃいました。」
「おぉ、スゲ〜じゃん。」
帰って来るやいなや、私は大きな声で“ただいま帰りました”と言うと、「いろは堂」の色息子の咲良(さくら)さんは、グゥと親指を上げてにこっと笑ってくれた。
四代目の老舗の名店『いろは堂』は、今は咲良さんが中心となり、お店を切り盛りしている。
私は、ここのスタッフだ。
四代目なんて、凄いなぁと尊敬する。
そんな傍ら、実は私も実家の和菓子屋の四代目だ。一人娘の私は、高校卒業後、見習いとして勉強するべくこの町にやって来た。
製菓の専門学校を去年卒業し、今はこの場所や空気にも慣れて来たと思っている。
ドアからは、厨房や作業場になっていて、その先が甘味を美味しく食べられるように、広いスペースになっている。
お客サマが入る扉には、大きく『いろは堂』と描かれている紅色をしたのれんが、掲げられていて、潜ってお客さまはやって来る。
和風仕立ての可愛らしい腰から下げられるエプロンと白いブラウスを来た、咲良さんのお嫁さんでもある千晴さんがおぼんを持ってやって来た。
「今日は、小海ちゃんいないのかって聞かれちゃったよ~!」
「あは、そうなんですか?」
私は、少し照れ笑いをすると、千晴さんが“あそこにいる常連さんだよ”と言った。
その人を厨房から見てみると・・・
「・・・伊吹(いぶき)さんと空(そら)さん!」
ある意味常連さまだ。
この二人は、咲良さんの同級生で、伊吹さんも空さんも仕事終りに良くここに甘味を食べに来る。
伊吹さんも空さんも、実は同じ商店街の仲間。
伊吹さんは、お花屋さん。お店へお花を買いに行くと、いつも可愛らしいお花と私を迎えてくれる。
そして、空さんは、両親と共に、茶道の教室などをしている。抹茶や、きな粉、白玉粉など、色々お店で使うものを届けに来てくれるのも、空さん。