美味しいほっぺにくちづけて。
俺は、そわそわしながら駅前の居酒屋に向かった。


じめっとした空気だが、都会よりはカラッとしている。
それなのに、俺は汗ばんでいた。



居酒屋に入り、定員にすでに銀河と嵐は来ていると聞きて、緊張を高鳴らせてしまう。



俺を見て、彼らはどう思う?


わがままだった俺を、自分のことしか考えらんなかった俺をどう思っていた?


聞きたいことがたくさんあって、まとまらない。



個室のそこのドアを開けて、中に入って行く。中はかまくらになっているらしく、おしゃれなおもむきだ。




「そっちゃん!」



「空、久しぶり。」




中に入ると、嵐が涙を浮かべて俺の名を呼ぶ。銀河も、安心した顔をして、俺を呼んだ。




「嵐・・・銀河・・・」




やばい、泣きそうになってしまった。



「そっちゃん、来てくれてありがとな!」



「嵐、何度も電話くれたのに、今まで出なくてごめんな。俺は、臆病だった。」


自分が嫌いだった。溜め込んで落ち込む癖に周りが見えない自分が心底嫌いだったあの頃。



「俺は、そっちゃんを臆病だなんて思わないよ。高校からの付き合いを舐めんなよ。今のそっちゃんがいるのは、以前のそっちゃんが自分を見つめたおかげだろ?
今、ここにいてくれて、心の底から嬉しいよ。なぁ、銀ちゃん!!」


嵐・・・・


「あぁ、そんな風に言えるなんて嵐も大人になったんだな。そりゃそうか俺ら今年で三十三だしな。」



「爺さんだな、俺ら!アハハ」


銀河と嵐は、硬い表情なんて無しに思っいっきり笑っていた。

俺は、俺の殻とゆう固まりを破りたかった。

でもそんなの無理だ。俺は俺なのだから、俺を破れない。

だから、俺は俺だから、俺は俺らしく生きて行く。
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