美味しいほっぺにくちづけて。
「じゃあ、タンポポ・・・」




「タンポポ?」




私は、一瞬にして考える。『タンポポ』はどうかな?





「由来は?」




「ミニチュアダックスフンドは短足だから短足の『タン』と、一歩一歩進むって意味の『ポポ』です。」






「あはは短足だな、それに一歩一歩か・・・なかなか良いじゃん。」




空さんは、私に嬉しそうに笑ってくれた。その笑顔にホッとする。


空さんにお許しをもらい、この子の名前は『タンポポ』に決定した。





「あ、女の子ですか?」




「おう、可愛い女の子だ。」




ちょっと二人で笑い、



空さんは、決まった名前を呼んで、私からタンポポを自分の膝の上に優しくのせた。



空さんが、とても愛しそうに優しく見つめていた。



「よろしくね、タンポポ!」



「よろしくな、タンポポ。」


私の声と、空さんの声が交差して二人で名前を呼び合った。
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