美味しいほっぺにくちづけて。
「でも・・・」




明日は、七星祭り・・・
たくさん、準備をしてきたのに。



美玲も和樹も私を見ると、手を一旦止めた。私を見つめる。




「俺も手伝うから、早く」



咲良さんがそう言ってくれるも、足が動かない。




「うみちゃん、行って来な。」



ゆかりさんも言ってくれるのに・・・


まだ心の準備が出来ないよ。



「小海がひとりぐらいいなくたって、大丈夫だから、早く行ってやれよ!」



「そうよ、うみ! 明日のことは心配しなくて良いから。うみは、ちゃんと最後のお別れしてきな!」




見かねた和樹と美玲が、私に言ってくれた。



「・・・う、うん!」



私は、頷いてみんなに感謝を述べると、私は駆け出した。

咲良さんにも、頭を下げ“ありがとうございます!”と、お礼を言い、部屋に戻りかばんと、必要なモノを持って、私は駅へと向かう。






人の命が尽きるって、どんな感じなのだろう?






心の準備、しなきゃ。




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