美味しいほっぺにくちづけて。
起きるときに、くらくらと目眩がしたけど、すぐ水分補給をしたからか、目眩は無くなった。




「お母さん、ちょっと海、見てくる。」



「気をつけてね。」



お母さんに一声かけると、台所にいたお母さんが“すぐに戻って来てよ”と、言うので頷いた。




すぐそこにある、海。

大きく、広い、海。朝だから、人の気配はいっさいない。



海に続く坂道を下り、私はひとり歩き海を目指した。
海を見ると、穏やかな気持ちになる。
穏やか気持ちで、おばあちゃんを見送りたいんだ。



すると、持って来ていた携帯の着信がブルブルと鳴った。



「?」



海の上には、広い広い空が一面に広がっている。海より広くて、包み込んでいる。




私は、着信の名前を確認すると、画面をスライドさせて、電話に出た。






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