美味しいほっぺにくちづけて。
空さんが私の手を掴んだまま、私を引っ張って歩き出した。




「ありがとうございます・・・」





「いーえ。」



ダーク系の髪色をした空さん、襟足が癖っ毛だからか、少しはねてしまっている。



白のTシャツにラフなジーンズだけなのに、何処ぞのモデルみたいに、スタイルが良い空さん。




癖っ毛でも、別に不自然ではなくて空さんにとても合っていて似合っていた。



その背中を見ながら、呟くと、空さんが私と手をつないでいることに、今さらだけど恥ずかしくなった。





「空さん・・・酔ってませんよね?」




うん、きっとお酒を飲んだんだ。



じゃないと、変じゃない?




さっき、私、空さんに抱きしめてもらったってこと、想像とかじゃないよね?


私と手を繋いでるのって、付きあってる人同士が、する事でしょ?



すると、空さんは笑いながら「酔ってねぇし。酔ってたら、飲酒運転になっちゃうし」とちらっと私を見ると、ほっぺたが薄く赤かった。




やっぱり、酔ってます?



帰ったら、辞書を引こう。

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