美味しいほっぺにくちづけて。
さっき、和樹にも無言でジロッと見られたし・・きっと、美玲と同じで休んでた分、しっかり仕事をしろ、って事だと思うんだよなぁ。




「おい。」



「ん?」



私が思っていると、噂をすれば和樹が、私と美玲の後ろにいた。

私は、何か言いたげな和樹に首を傾けた。




いつも、和樹は・・無愛想なんだから・・・
もうちょっと、明るくなればいいのに。


こんな和樹なのに、お店に来る女の子の中にファンがいるんだもんなぁ。

世界は分からないことが多いなぁ。




「おまえ、お葬式の帰り、随分遅かったみたいだけど、誰かに送ってもらった?」




「・・・あ、うん。」



和樹、私が遅くなっちゃったのわかったんだ。
そりゃ、そうか・・・同じ住み込みの場所に住んでるんだもんね。


車、うるさかったのかな・・・


でも一ヶ月も経って、今ごろ何で聞いて来たのかな?



横にいる美玲も、なんだか気になる様子。


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