一つだけ願いが叶うなら
~零央side~

愛叶と和解した後、俺たちは愛叶の両親に会いに来ている。

二人で幸せになるために。

全てを終わらせるために。

今、俺は愛叶の母親に謝られた。

愛叶は優しいからきっと二人を許すだろう。

でも俺は…。


零『俺は、二人が愛叶にしてきたことを許せない。

どんなに謝られても愛叶が二人を恨んでなくても、許したとしても俺だけはお前らを許さない。

愛叶を傷つけてしまった俺が言えることじゃないと思いますが、愛叶に暴力をし続けてきたことを許せるほど寛大な心は持っていません。

愛叶が本当の子どもじゃなかったとしても、あなた達が引き取ったんですよね?
愛情を与えるのが親でしょう。

なのに暴力をふるうなんて、俺は絶対に許さない。

愛叶がどれだけ苦しんできたかお前らに分かるのか?

どれだけ悲しい思いをしていたかあんたらに分かるのかよ。

俺は絶対に許せないけど、でもこれまで愛叶を育ててくれたあなた達がいたから俺は愛叶に出会うことができた。

それだけは感謝します。

今日で終わりにしましょう。

全部。

愛叶は俺が幸せにします。必ず。』
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