一つだけ願いが叶うなら
プルルルッとしばらくの間機械音が聞こえた後、もしもしと透き通るような綺麗な声が聞こえた。

この人が社長の奥さん。

私の大好きな人といつも一緒にいる人。

この時の私は奥さんから社長を奪うことで頭がいっぱいだった。

私は奥さんに自分の名前を言った後、自信たっぷりな声で言った。


沙『零央さんと別れてください。

私は零央さんを愛しています。

零央さんも私を愛してくれています。』


愛叶さん、この言葉を聞いて貴方はなんて言うのかしら?

泣き叫ぶ?怒鳴る?


私は怒鳴られることを想像していた。

でも、返ってきた言葉は想像とは全く違った。

そして私は自分がしてしまったことを酷く後悔する。
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