大嫌いな社長に復讐を~子持ち家政婦の恋の行方は!?~修正済み。
家出。
「ばあばとじいじのお家行くぅ~」
美桜は、キャッキャッと大はしゃぎだ。
ふぅ…危ない、危ない。
美桜は、電話が好きだから
出れないとぐずるのよね。
昼食を食べた後に
美桜を連れて両親が居るアパートに向かった。
そういえば、アイツの自宅で
家政婦をやってから初めてかも
パパもママもこの事を知らないから
驚くわよね…きっと
アパートが見えてきたが
いつ来ても驚くぐらいボロいアパートだ。
私と美桜も少し前まで似た境遇だったけど
あの豪邸に住んでいた〝一条院家〟も
落ちぶれ今だとこんな貧乏生活になってしまった。
豪邸は、引き払い使用人も居くなってしまう。
唯一古くから一条院家を支えてくれている
メイド頭の田中さんが両親の世話をしてくれるけど
チャイムを鳴らすと田中さんが出てきた。
「これは、梨花お嬢様と美桜お嬢様。
ようこそ、いらっしゃいました」
「こんにちは、田中さん。
フフッ…もうお嬢様ではないのだから
お嬢様と付けなくてもいいわよ?」
「そんな事はありません。
私は、昔から梨花お嬢様や一条院家を
支えてきましたので
そんな失礼な事は出来ません」
キッパリと否定する田中さん。
相変わらず律儀な人だと思う。
だから、両親を支えてくれるのだけど