大嫌いな社長に復讐を~子持ち家政婦の恋の行方は!?~修正済み。
「お願いだから帰ってよ!!」
泣きながら叫んだ。
「…えっ…う、うん」
宮部って人は、そんな私を見て
戸惑っていたが、そのまま帰って行った。
「ひっく…ママ…えーん、えーんしないで」
美桜は、涙を溜めながら訴えてきた。
「美桜…」
私は、美桜をギュッと抱き締める。
ギュッと握り返してくれる手も
身体も小さかった。
心の中が、ぽっかりと穴が空いたような気分だ。
まるで、隆史が死んだと聞かされた時と
同じ感覚だった。
頭の中は、アイツの顔が浮かんで
仕方がなかった。
憎いはずのアイツの顔が……。
そこでようやく自分の気持ちが分かった。
いや、気づかされる。
私は…アイツの事を好きになっているのだと
今さら分かっても、もう遅い。
アイツの本心を知ってしまった。
それに、そんな事を許される訳がない。
私は、アイツの憎い男の妻で
私もアイツを憎んで今まで生活をしてきた。
今さら…どうしろと言うのよ?