大嫌いな社長に復讐を~子持ち家政婦の恋の行方は!?~修正済み。

バタバタッと勢いよく
廊下を歩いたと思ったら
強引に部屋のドアを開けられた。

「おい、宮部から電話で聞いたぞ!?
お前…ってか、何をやっているんだ!?」

カバンを見るなり
怒鳴りつけるように言うアイツだった。

私は、驚いてしまったが見ないように
目線を逸らした。

「見て分からない?
この家を出て行くのよ」

「はぁっ!?
どうして出て行かないとならないんだ?」

どうして?
よくそんな事が言えるわよね。

「宮部って人から全部聞いたわ。
あなたが、隆史と同級生だった事も
馬鹿にされて憎んでいた事も」

「それは…」

「さぞかし気分がいいでしょうね?
今まで馬鹿にされていた男の会社を乗っ取り
それ以上に事故に遭わせ死に追いやって」

「挙げ句の果てに
そいつの妻を家政婦として雇い
散々見下していたんだもの。
復讐のつもりなんでしょ!?」

泣きそうになるのをグッと我慢して
アイツを睨みつけた。

「……。」

黙ったまま何も言わないアイツ。
しかし、その表情は切なそうだった。

< 264 / 281 >

この作品をシェア

pagetop