大嫌いな社長に復讐を~子持ち家政婦の恋の行方は!?~修正済み。
「飲め。そして食え」
そう言って。
「えっと…ありがとう」
私は、戸惑いながらもワインを受け取った。
「……。」
アイツは、そっぽを向いて
自分のワインを飲み出した。
何を考えてるの分からない。
分からないけど……。
何だか胸の辺がポカポカと温かくなった。
変なの。
私も一口ワインに口をつける。
久しぶりに飲むワインは、とても美味しかった。
「…美味しい」
そう思うと何だか涙が溢れてきた。
あれ?何で…?
泣かないと決めたはずなのに
ポロポロと自然と涙が溢れてくるではないか。
「ママ。えーん、えーん?」
美桜が不安そうに覗き込んできた。
「ううん。泣いてなんか無いわよ…」
そう言いながら美桜をギュッと抱き締めた。
「ママ。いー子、いー子よ?
えーん、えーんしないで」
そう言う美桜も半べそになっていた。
アイツは、ずっとそっぽを向いたまま
振り返ろうとしない。
逆にそれが有り難かった。