死神の唄〜for you〜
いつものように唄が聞こえてきた。


そのときだけ凄く身体が楽だった。



「つゆ…っ!?」


窓から顔を出したつぼみはそうとう驚いたみたい。


いつも発作を起こしても冷静に対処してくれてたのに…


今日は立ち尽くしてしまってる。


『大丈夫だよ』そう言いたいのに発作のせいで言葉にならない。


『つぼみ』そう呼びたいのに…



「つゆりちゃんっ」


看護士の声に肩をビクッと揺らしたのは…つぼみだった。


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