今、わたしに会いに行く。
こんにちは、神様
夕暮れで赤く染まった教室は、
夏がそこまで来ているのが分かるくらい蒸し暑かった。
かすかに聞こえるのは運動部だろうか、
グランドで部活動に励んでいる子たちの声だけが教室にやけに響いていた。
ポツン。
そんな言葉がよく似合うと思った。
教室には一人だけ人がいた。
まるで一枚の絵のように佇んだまま動かない男の子だった。
そっと近づいたが、男の子は私に気がつかなかった。
代わりに私は気がついた。
その肩は小さく震えていることに。
男の子は、静かに泣いていた。
、、、彼に何があったんだろう
そう考えてから、
私はその答えを知っているような気がした。
それだけじゃない。
彼自体も知っているような気もする。
「あなたは、、、」
男の子と目があった。
ーーー春くん
幼い私の声が聞こえた。